講演の内容でフッ素についてもお話してきました。
スライドの一部をアップします。
フッ素の局所応用には①~③があります。①は高濃度のフッ素、②③は低濃度のフッ素。高濃度、低濃度で各々役割が異なります。どちらも重要です。
①は10本歯があれば最大4本、②は5本、③は3本の歯を虫歯にさせない効果があるということです。それを「う蝕予防率(むし歯予防率)」といいます。
スライド1
そもそもどうやって歯が溶けるのか?
プラーク(歯垢)の中の細菌によって酸が酸性されて歯の脱灰(歯が溶け始めること)が始まります。
スライド2
その結果、歯の中の重要なミネラルが溶け始めていきます。
スライド3
フッ素は、その溶けだしたミネラルを元に戻すのを手伝います。これを再石灰化といいます。
スライド4
また、歯の結晶構造の中にフッ素が入り込むことで、本来の歯の完成体である「ハイドロキシアパタイト」という構造より強い「フルオロアパタイト」という構造になります。
スライド5
その結果、歯は酸に強い歯になるのです。
スライド6
これは、歯の結晶構造が完成していないときにフッ素応用するからこそ効果があります。LEGOで表現してみると下写真のようになります。
スライド7
結晶構造が完成していない状態からそのまま完成するとLEGOの上段のようになります。
結晶構造が完成していない状態にフッ素を使って歯を強化するとLEGOの下段のような過程をたどり、歯の結晶構造の中にフッ素が取り込まれ酸に強い歯になる訳です。
青のブロックが「フッ素」です。
ですから、歯の生えたての「幼弱」な状態のときにフッ素を使うとより効果的ということです。
詳しくは、またご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院