月別アーカイブ: 1月 2020
220.根管治療
根管治療のケースです。
左写真が術前です。矢印部分に黒い影が確認できます。右写真は術後写真です。矢印部分の黒い影がなくなり、治癒が確認されました。根管治療が成功したことを意味します。
なぜ、黒い影ができるのでしょう?よく歯科医院で「神経を取ります」と言われたことがある方も多いと思います。
この「神経をとる」というのは、「歯の中(根管)に歯髄という組織があって、その中には①神経線維②血管③細胞など重要な組織があります。それを全部取ってしまいます」という意味なのです。
つまり歯の中の血管を取ってしまうことは、細菌を退治してくれる白血球が居なくなるということなのです。白血球が居なくなれば、自然に治ることはありません。
一度歯茎が腫れて、腫れが引いたとしても時間が経つとまた腫れてくるのは、細菌の巣が歯の中(根管)にあって、そこには細菌を退治してくれる白血球が居ないわけですから、歯の中で細菌が増えるとまた腫れてくるという訳なのです。
当院はマイクロスコープで根管治療を行っています。これの使用により根管治療の成功率が格段に上がりました。全てが完璧にできる訳ではありませんが、できるだけ成功へ導けるように努めています。
またご相談ください。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
219. 歯槽骨の再生
今回も歯槽骨の再生が見られたケースです。
術前写真ではオレンジ矢印部分に骨欠損(深い歯周ポケット9mm)が確認されます。このような「クサビ状骨欠損」は、単にプラーク(歯に付いた細菌の塊)によって起こったものではなく、そこには「歯ぎしり」のような歯に対して外傷的な強い力が加わっていることが考えられます。
歯周病学では、歯周病の原因はプラーク(歯に付いた細菌の塊)で、さらに歯ぎしりなどの強い力が加わると、「クサビ状骨欠損」が起こると考えられています。
このケースでは、歯ぎしりによって生じた「歯に加わる強い力」を咬合調整(今回の場合は歯を削合)することで取り除いた上で、歯周外科治療(フラップキュレッタージとテルプラグの移植)を行いました。
その結果、クサビ状骨欠損は縮小し、青矢印部分に骨再生(歯周ポケットは9mmから4mmまで回復)が確認できました。
前回のケースのようにSRPのみでも骨再生が起こることがありますが、それが困難な場合は歯周外科治療を行うことも有効です。
またお問い合わせください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院