月別アーカイブ: 9月 2016
158.歯周病と類似疾患
今回は歯周病と類似疾患をご紹介します。
右下奥歯から膿が出るということを主訴に来院されました。
レントゲンを見てみます。
術前のレントゲン(左)では根の先が黒くなっているのが分かります。さらに歯周ポケットは10mmと深い値を示しました。
この患者さんは「歯周病」と思って来院されました。①歯周ポケットが深い②レントゲンで透過像がある、ことから歯周病も疑われます。
しかしながら、この歯に関しましては、根の中に「薬」が入っていないため、歯周病由来の感染ではなく虫歯から根管を経て根の先に膿を作っていることも疑いました。
そこで根管治療(根の中の管の消毒)を行って6ヶ月、術後のレントゲン(右)まで改善しました。矢印の周囲の骨が再生しているのが確認できます。
感染した細菌が虫歯由来なのか歯周病由来なのか、それとも両方なのかで治療のアプローチが違います。今回は虫歯由来の細菌の感染であったため歯周病治療ではなく根管治療で改善しました。
歯茎から膿が出ている場合、歯周病だけが原因ではないこともあります。それを見極めることが重要になります。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
157.歯周基本治療の効果
今回はSRP(スケーリング・ルートプレーニング)で骨再生が起こったケースを紹介します。
下レントゲン写真の術前術後の比較です。
術前では矢印部分の骨が根の先まで喪失していますが、現在では根の先の透過像(骨が吸収して黒く写っている部分)がかなり少ない範囲になってきています。
歯周病治療では再生外科療法という方法がありますが、このように歯周基本治療のみで改善する場合も少なくありません。
歯の動揺、歯肉からの出血など歯周病が気になる方は御相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院