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207.マイクロスコープによる精密根管治療

今回も根管治療のケースです。

ケース1:

術前写真では、根の先に黒いおおきな影(矢印)が見えます。術後、黒い影は大きく縮小して歯槽骨が再生してきています。

 

ケース2:

術前写真の根の先に黒い影(矢印)がありますが、術後ではその黒い影は消失しています。

 

当院ではマイクロスコープにより根管治療を行っています。保険診療で行っていますので気軽にお問い合わせください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院

 

 

 

 

206.根管治療

今回は根管治療の説明です。

レントゲン写真を撮影すると、「歯髄腔」という部分が見えます。そこには、「歯髄」という組織があります。(下写真)

 

「歯髄」を写真と模式図で見てみます。

その写真が歯髄です。歯の中は決して空洞ではなく、この「歯髄」という組織があるのです。その歯髄の中に「神経線維」や「血管」が含まれているのです。歯髄の中に血管があるということは、白血球がいて細菌から防衛してくれていたり、栄養分を歯に供給してくれているのです。

「神経をとりますね」という言葉は、本当は、「神経線維や歯の栄養供給している血管を根こそぎ歯の中から取ってしまいますね。その際に、細菌感染する可能性も十分にありますよ」という意味まのです。そのため、「神経は取ってあるのに歯が痛い」などの訴えがある場合は当然で、歯髄(神経線維や血管)を取った時に侵入した感染した細菌が繁殖して根の先で炎症を起こしているのです。

写真は根管治療の術前(上)および術後(下)の写真です。

術前写真(上)のオレンジの部分に黒い影が見えます。これは、以前に「歯髄」を取られて感染しています。つまり、根管内で細菌が増殖しているため根の先に炎症が波及して骨が溶けている状態なのです。治療法としては、「根管治療」を行う必要があります。一度細菌感染した根管内の消毒を行います。その結果、下写真では骨再生が観察され完治しています。

 

また、下の症例でも術前写真では根の先に黒い影があります。これも根管が汚染されて根の先の骨が吸収しているのです。

術後写真は根管治療後7年経過の写真です。根の先の骨が再生して完治しています。

 

当院は根管治療はマイクロスコープ下において精密に行っています。もちろん保険診療で行っていますので、お困りの方がいましたらご相談ください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院

 

 

205.歯周病の骨再生

今回は歯周病で失われた骨再生の症例です。

患者さんの許可を得てHPに載せています。

術前の写真およびシェーマが左、術後が右になります。

 

術前写真の青矢印部分で示す黒くなっている部分は、歯周病および根の中の感染により骨吸収が起こっています。

術後写真では、オレンジ矢印で示している部分の骨再生が確認できます。

このケースでは、「歯茎の周りからの歯周病菌の感染」と「根の中の細菌感染」の両方が合併してます。このような場合、歯茎の周囲からの除菌と根の中の除菌を同時に行っていく必要があります。

歯茎の周りからの治療として、SRP(根の表面の歯石除去および根面の滑沢化)を行いました。また根管治療もマイクロスコープにより治療しています。両方からのアプローチが上手くいったため、骨再生が起こったものと考えられます。

通常は、GRT法やエムドゲイン、骨移植など再生外科療法を行わなければ治癒が困難であるケースですが、非外科療法のみで十分な骨再生が起きたことに価値があると思います。

このような成果が得られたのは、治療の技術ももちろん必要ですが、患者さんご本人の熱心なプラークコントロールに尽きると思います。

当院は歯周病専門医です。歯周病専門治療をご希望の方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

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204.乳幼児期のムシ歯予防!

昨日、津沢こども園の歯科検診へ行きました。

乳幼児期の虫歯予防をプリントにまとめましたので、ご紹介します。

「虫歯予防のコツ!!」

乳幼児の虫歯予防で重要なのは、この2つ(①フッ素と②フロス)です。

①フッ素について

・フッ素洗口や歯磨き剤に含まれる低濃度のフッ素は虫歯予防に有効です。フッ素は食品(食塩や味噌)や人の歯や骨にも含まれており安全な物質です。

・こども園で行っているフッ素洗口は20本ある歯のうちの4~10本も虫歯予防をしてくれます。(疫学調査より)

・また、適切な歯磨き剤の量を使用すれば、20本ある歯のうちの4~6本も虫歯予防をしてくれます。(疫学調査より)

・使用するフッ素入り歯磨き剤の量は、年齢によって異なります。下図を参考にしてください。少量の歯磨き剤はうがいができないお子さんが飲んでしまっても問題ありません。

 

フロスについて

・フロスは乳歯列の一番奥の「E」の歯が生えたら(2歳半)使いましょう。フロスは「歯と歯の間用」の歯ブラシです。歯ブラシをしていてもフロスをしていなければ、歯と歯の間のプラーク(細菌の塊)は落ちていないのです。3~4歳から歯と歯の間の虫歯が増えてきますのでフロスは有効です。

 

 

・フロスは子供用の柄のついたものが使用しやすいです。歯と歯の間に入れて、歯に沿わすようにゴシゴシ磨いてください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

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203.骨の再生:根管治療

下写真は左が術前、右が術後です。

術前写真のオレンジ矢印部分に黒い影があります。根管の中が細菌感染しているため膿んでいます。

術後は黒い影が無くなり、骨が再生しています。

 

同じく、下写真も左が術前、右が術後です。

術前の黒い影(オレンジ矢印)が術後で改善しています。

 

今回のケースは、歯周病のように歯の周囲から細菌感染が起きたわけではなく、歯の中から細菌感染しています。このような場合、金属冠を外して根の中の消毒を行う必要があります。

当院では、マイクロスコープ(下写真)にて根管治療を行っています。マイクロスコープを使用することで、根管治療の成功率は格段に上がります。

 

下写真のように8~24倍に拡大して見ることができます。

診療している様子です。

マイクロスコープによる治療も保険診療で行っています。

マイクロスコープによる精密根管治療に関心がある方はまたご相談ください。

日本歯周病学会 歯周病専門医

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202.親知らずの移植

今回もまた親知らずの移植です。

オレンジ矢印の部分が欠損しています。赤矢印は乳歯ですが、動揺もせず何十年もこのままの状態であることから、乳歯はそのまま処置せずに欠損している部分(オレンジ矢印部分)に青矢印の親知らずを移植する計画としました。

 

移植した直後です。この場合、歯茎を切開してソケット形成(親知らずが入る部分の骨を削除すること)する必要があります。

抜いた歯の部分に親知らずを移植すれば、骨の削除をする必要がない場合もあるのですが、今回のようにソケット形成する場合は少し大変です。

 

移植後、数カ月が経過した状態です。金属冠が装着され今のところ予後良好です。

 

最近は「歯の移植は可能ですか?」という問い合わせもあります。またご相談ください。

 

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

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201.親知らずの移植!歯周病の歯を救え!

今回は親知らずの移植治療についてです。

※患者さんの許可を得てアップしています。

⑧が親しらずです。この⑧のせいで⑦が歯周病に罹患し、12mmの歯周ポケットができてしまいました。その結果、⑦の奥側の骨(歯槽骨)は吸収しています。

その原因は親知らずの生え方によります。親知らずが斜めに生えてしまったせいで、⑦の奥側にプラークが溜まって歯周炎を引き起こしてしまっているのです。

この場合、⑧を抜歯しても⑦の奥側の骨は吸収したままになり、⑦も⑧も共倒れになることが予想されました。

そこで、⑦を抜歯して⑧(親知らず)を移植する計画にしました。

移植直後の写真です。

 

移植後2年以上経過した写真です。

赤の矢印部分に骨が再生していることが確認できます。

 

なぜ骨が吸収してしまった部分に骨が再生するのでしょうか。それは、移植した親知らずの周りに厚さ30ミクロンの薄い歯根膜という組織があります。それが下写真です。赤くなっている部分が歯根膜です。ここに「歯根膜細胞」があります。歯根膜細胞は骨芽細胞という細胞に分化して、周囲に骨を再生させるのです。

 

この歯根膜があるからこそ失われた骨が再生するのです。

下は模式図です。

 

今回も親知らずの移植ですから保険診療で行いました。親知らずを抜く前に、ご相談下さい!大事な親知らずかもしれません。

 

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200.歯茎の移植の解説(難しい内容!)

難しい内容です。

「動かない歯茎(角化歯肉)」VS「動く歯茎(歯槽粘膜)」

歯の周囲には「動かない歯茎(角化歯肉)」の存在が歯周組織の健康維持のために有益と考えられています。

前回紹介した遊離歯肉移植術は、「動かない歯茎(角化歯肉)」「動く歯茎(歯槽粘膜)」へ移植し、「動く歯茎(歯槽粘膜)」「動かない歯茎(角化歯肉)」に変えてしまう治療です。

下図は「動かない歯茎(角化歯肉)」の模式図です。結合組織に「コラーゲン線維」があるから遺伝的に上皮は「角化」します。コラーゲン線維があることで「動かない歯茎」ができる上に、感染や外的刺激に強い「角化上皮」ができます。

 

それでは、①動かない歯茎(角化歯肉)の上皮―結合組織を一体にした組織を「動く歯茎」に移植した場合と(下図の上)、②動かない歯茎(角化歯肉)の上皮のみを「動く歯茎」に移植した場合(下図の下)では一体どうなるのか?

 

①の場合は、移植されたことで動く歯茎動かない歯茎に変化しますが、②の場合は、動く歯茎動く歯茎のままになり変化は見られません。このことで上皮が角化するか、角化しないかは、「上皮下の結合組織」が決めていることになるのです。

組織学的にはこのような解説になります。

下写真のように動く歯茎動かない歯茎に変化しているのは、組織学的には上記の説明になるわけです。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

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199.歯茎の移植

今回は「動く歯茎(歯槽粘膜)」しかない部分に「動かない歯茎(角化歯肉)」を移植したケースです。

術前写真は金属冠の周りに「動く歯茎」しかないため、患者さん自身によるブラッシングが困難であったため、「動かない歯茎」を口蓋から移植しています。

これにより歯の周囲の歯茎は動かなくなり、ブラッシングが容易になります。

 

以前紹介した内容を下記に説明します。

「動かない歯茎」と「動く歯茎」についてのお話です。「動かない歯茎」のことを「付着歯肉」といいます。

歯の周囲には「動かない歯茎」が必要最低限あった方が、歯周組織は安定しやすいことが多いと私は考えています。

左下写真をヨードで染色すると右下写真になります。


色が淡い部分と濃い部分に分けられます。

淡い部分が角化歯肉、濃い部分が歯槽粘膜といいます。

それぞれの特徴は、角化歯肉は上皮部分に角質層を有し、歯槽粘膜は上皮部分に角質層がありません。


上皮下の結合組織(上皮の下にある土台となる組織)は、角化歯肉はコラーゲン線維を有した緻密な結合組織、歯槽粘膜は弾性線維を有した疎性結合組織になります。簡単にいえば、角化歯肉は表層が硬く動かない、歯槽粘膜は表層が硬くなく動くという特徴があります。


 

現在角化歯肉の有無による影響について見解が分かれており、必要または不必要で様々な諸説があります。

1972年に発表されたLang and Löeの論文では、2mmの角化歯肉(そのうち1ミリの付着歯肉)が存在すれば、歯周組織の80%は健康が維持されたと報告しました。

The relationship between the width of keratinized gingiva and gingival health.

J Periodontol. 1972 Oct;43(10):623-7.

 

角化歯肉(付着歯肉)が無くても歯周組織の健康が維持される場合もありますが、角化歯肉が必要最低限あった方が有利な場面も多いのです。

こんな論文もあります。

James E. Kennedyらが発表した論文です。遊離歯肉移植術を行ったグループと行わなかったグループで、6年後に歯周組織の状態を評価しています。メインテナンスにきちんと患者さんが来られる場合は、どちらも問題はなかったが、メインテナンスに来られなくなったグループでは遊離歯肉移植術を行わなかったグループで有意に歯肉退縮(歯茎の痩せ)が見られたと報告しています。

A longitudinal evaluation of varying widths of attached gingiva

J Clin Periodontol. 1985 Sep;12(8):667-75.

 

角化歯肉は「無いよりはあったほうが安心」といえるかもしれません。いつも考えることですが、今は良くても高齢になると歯間ブラシや歯ブラシによるブラッシングも困難になります。出来るだけ有利な状況を早いうちに作れるものであれば作った方がメインテナンスも行いやすいし、トラブルが起きた時の対応も簡単に済みます。

歯茎の移植は保険診療で行えます。

歯茎のトラブルがあればご相談ください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

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198.歯周外科療法(再生外科療法)

最後臼歯(一番奥の歯)が歯周病に罹患しています。

下の写真は歯周ポケットの深さを示します。5~6mmの部位は歯周ポケットが存在します。2~3mmの部位は問題ありません。

 

歯周ポケットの検査(歯周病検査)を参考にしてください。下図のように場所によって深さが異なる場合の方が多いです。1~3mmは正常値ですので問題ありません。

 

歯周外科療法の中の再生外科療法を選択しました。一番奥歯の奥の面は歯茎の厚みがあり、再生外科療法に適しています。

 

 

①は歯茎を切開して開いた状態。青線の部分に歯周病による骨吸収が確認できます。

②は根の表面の清掃を行った後に、採取した骨(緑矢印)を移植した状態です。

③は骨移植が終了後にGTR膜を置いた状態。

④は縫合した状態です。

 

再生外科療法の模式図です。

 

骨吸収が起きた部位に骨移植やGTR法を行うことで、失われた歯周組織が再生することを狙っています。

 

色々な外科療法も、もちろん外科療法を行わない方法もあります。外科療法を行わない場合でも顕著な骨再生が見られる場合もあります。

またご相談ください。

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