月別アーカイブ: 1月 2021

252.親知らずの移植ケース

今回も親知らずの移植のケースです。

親知らずはただ抜歯するのは勿体ないので、利用できる歯であれば移植に使います。

青〇の歯は、歯根が折れてしまっています。そこで、青〇の歯を抜歯して黄〇の親知らずを、同部位へと移植する計画としました。

下写真が青〇の歯のレントゲンですが、オレンジ矢印部分に黒い影があります。この部分は歯が割れてしまっている部分です。残念ながら抜歯適応です。

下写真は、青〇の歯を抜歯して黄〇の親知らずを移植した直後です。

サイズが合わない場合は、周囲の骨を削除して合わせます。

下写真の左は移植直後で、右は移植後約5ヶ月です。

歯根周囲の黒い影が無くなり、骨が出来てきています。

歯の動揺もなく、良好に経過しています。

歯周病治療の困難な症例、歯の移植、インプラント治療など一般的には難しいケースも診療しています。

またご相談ください。

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医

日本補綴歯科学会 専門医

251.歯牙移植(親知らず)の経過

今回も親知らずの移植についてです。

左は術前の写真です。×の歯は歯根破折(根が割れている)のため抜歯となりました。歯が割れており、そこに細菌感染したため周囲の骨が大きく吸収しています。

そのため、×の歯を抜歯して余っている親知らず(青〇の歯)を移植しました。

真ん中の写真は移植直後の写真です。矢印部分に注目すると黒い影となっており、まだ周囲の骨が吸収しているのが確認できます。

右の写真は、移植後1年11カ月の写真になります。矢印部分の骨が再生したため黒い影が消失しています。

移植した親知らずの周囲には「歯根膜」という組織があります。そこにある未分化間葉系細胞が骨芽細胞へと分化します。その骨芽細胞が歯の周囲に骨を形成するのです。

親知らずを抜歯する前に、移植に使えるかもしれません!

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医

日本補綴歯科学会 専門医