月別アーカイブ: 2月 2020
226.根管治療の5年後
根管治療のケースです。
術前写真(左)では、根の先に黒い影(骨が喪失した部分)が確認されます。これは、根管内に細菌感染が起こっているためです。
この場合、根管内の細菌を取り除く治療になります。
術直後(真ん中)では、根管内の細菌はおおむね取り除けているはずですが、まだ黒い影(骨が喪失した部分)が確認できます。
術後3~6ヶ月かけて骨再生が起きるため、術直後では骨の再生は確認できませんでしたが、術後5年(右)では、オレンジ矢印部分の黒い影がなくなり骨が再生されていることが確認できます。
当院では、できるだけ確実な根管治療(保険治療)を行えるように、CT撮影やマイクロスコープを使って治療しています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
225.重度歯周炎からの回復
今回は重度歯周炎(歯周病)のケースです。
下写真の左が術前で右が術後です。
術前写真の青矢印で示すように歯の周囲の骨が吸収し抜歯適応でした。
しかしながら、根管治療とSRP(スケーリングルートプレーニング)のみで術後写真(右)まで回復しました。顕著に骨再生が認められます。歯の動揺も改善しました。
私は、歯周基本治療(非外科治療)のみでも骨再生するケースも多く経験しています。歯周外科治療も必要と考えてはいますが、まずは「歯周基本治療」が重要です。
歯周基本治療とは、歯間ブラシ、フロス、歯ブラシによる口腔清掃、そしてSRP(歯茎の中の歯石除去と歯根面の滑沢化)を中心とした治療をいいます。
歯周外科治療では、骨再生を狙った「エムドゲイン」「リグロス」といった材料も使われていますが、歯周基本治療(非外科治療)でもこのように回復することもあるということです。外科治療の最大の欠点は、切開することで血液供給を遮断することであると考えています。
患者さん自身のプラークコントロールが良好に行えた上で、技術の高いSRPを行えば,非外科治療でも良好な結果が得られると、私は考えています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
224.親知らずの移植
今回も親知らずの移植です。
オレンジ〇部分の歯が喪失しています。そして、青○が親知らずです。この親知らず(青○)と咬んでいる歯は無く、余っている状態です。このまま親知らずを残しておいても抜歯するしかありません。
このまま親知らずを抜歯してしまうのが勿体ないので、この親知らず(青○)をオレンジ○部分へ移植する計画としました。
下写真は移植直後の状態です。
移植した歯は歯の中の歯髄(血管、神経線維、細胞が入っている組織)が失活してしまうため、根管治療(歯髄が入っている組織を消毒すること)を行い、冠を被せていきます。
冠を被せた状態です(下写真)。これで、咬めるようになりました。
今のところ良好に経過しています。
北陸は歯科大学がないため、歯科大学附属病院がありません。私が勤務していた神奈川歯科大学は附属病院があります。歯科大学附属病院には、補綴科(入れ歯や咬み合わせ)、歯周病科、保存科、障害者歯科、放射線科、口腔外科、矯正科、小児歯科と専門分野が別れています。
北陸にも医学部大学附属病院や市民病院がありますので「口腔外科」はありますが、歯科大学附属病院の「補綴科(入れ歯や咬み合わせ)」「歯周病科」はありません。
当院は、歯科大学附属病院の「補綴科(入れ歯や咬み合わせ)」「歯周病科」と同じく、その分野の「専門医」であります。その分野に関しては、難しい症例も大学病院で診療してきたように専門的に診療しています。
それが当院の役割と考えています。
またご相談ください。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
富山県小矢部市津沢796-4
223.歯周基本治療による改善
今回も歯周基本治療にて改善したケースです。
術前の青矢印部分。これは「歯肉縁下歯石」といって「歯茎の中に付いた歯石」です。これに細菌の内毒素が含まれているため、歯槽骨の吸収が起こります。
治療は、まずは①口腔清掃指導!当院では、必ず①歯間ブラシ②フロス③歯ブラシの順番で行っています。自宅での清掃もこの順番でお願いしています。
次に②スケーリング・ルートプレーニング。口腔清掃がきちんと行えて、歯茎の炎症が改善した状態になったら、このスケーリング・ルートプレーニングを行います。
スケーリング・ルートプレーニングは歯茎の中の歯石の除去と汚染した歯根面の滑沢化のことをいいます。
術後のオレンジ矢印部分の骨のラインが明瞭になったのがわかります。歯周ポケットも改善し、正常値に戻りました。
術前術後のレントゲンを比較するとよくわかります。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
222.歯槽骨の再生 歯周基本治療
術前の写真では、青矢印部分に大きな骨吸収が確認できます。歯の動揺もありました。術後の写真では、青矢印部分に歯槽骨の再生が確認できます。
治療は?
歯の安静を図る目的で、咬み合わせの調整を行いました。(しかし、歯が動いているからといって、闇雲に削ってはいけません。)
炎症をコントロールするために、口腔清掃指導(当院では歯間ブラシ→フロス→歯ブラシの順番)およびスケーリング・ルートプレーニングを行いました。スケーリング・ルートプレーニングは、歯茎の中の歯石を取り除き、歯根の表面を滑沢化することで、細菌の毒素を取り除くことを目的とします。
これらの治療を「歯周基本治療(非外科療法)」といいます。それでも治らない場合は、「歯周外科治療」を行うのですが、「歯周基本治療(非外科療法)」のみで改善する場合も多いのです。
今回も「歯周基本治療(非外科療法)」のみで歯槽骨の再生および歯周ポケットが改善しました。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院