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152.歯がしみるのは歯周病が原因?
今日は知覚過敏のお話しです。
よく患者さんに「歯がしみるのですが虫歯はありませんか?」と言われます。
下写真をご覧ください。この矢印部分が「しみる」ようです。よく見ると、プラーク(白いもの=細菌の塊)が観察できます。このプラークは細菌であれば「酸」を代謝しますので、これが付いているだけでも「しみる」のです。
また、このプラークのせいで歯肉に炎症が起きます。下はこの部分にエアー(風)をかけた瞬間の写真です。歯と歯肉の境目が開いているのが分かるでしょうか?さらに炎症を起こしているのでエアーをかけただけで出血します。
つまり、プラークがずっとついているとプラークの酸による刺激だけでなく、歯肉も炎症を起こしてしまい歯肉と歯の付着が損なわれてしまい、冷たいものの刺激が伝わるようになります。
治療法は?
まずはプラークコントロール!正しく歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスを使用してプラークを除去し、酸による刺激と歯肉の炎症を抑えることが重要です。
下手に削って詰めることはお勧めしません。削ってしまえば、歯も勿体ないですし、余計にプラークが付着することが考えられるからです。
実際、歯間ブラシや歯ブラシの練習だけで症状が改善する患者さんが多くいらっしゃいます。
まずは「プラークコントロール」が重要です。
※補足:知覚過敏の説明
下図のように、歯と歯肉の境目の露出した象牙質から刺激が伝わります。
気になる方は当院に御相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院