月別アーカイブ: 1月 2019

198.歯周外科療法(再生外科療法)

最後臼歯(一番奥の歯)が歯周病に罹患しています。

下の写真は歯周ポケットの深さを示します。5~6mmの部位は歯周ポケットが存在します。2~3mmの部位は問題ありません。

 

歯周ポケットの検査(歯周病検査)を参考にしてください。下図のように場所によって深さが異なる場合の方が多いです。1~3mmは正常値ですので問題ありません。

 

歯周外科療法の中の再生外科療法を選択しました。一番奥歯の奥の面は歯茎の厚みがあり、再生外科療法に適しています。

 

 

①は歯茎を切開して開いた状態。青線の部分に歯周病による骨吸収が確認できます。

②は根の表面の清掃を行った後に、採取した骨(緑矢印)を移植した状態です。

③は骨移植が終了後にGTR膜を置いた状態。

④は縫合した状態です。

 

再生外科療法の模式図です。

 

骨吸収が起きた部位に骨移植やGTR法を行うことで、失われた歯周組織が再生することを狙っています。

 

色々な外科療法も、もちろん外科療法を行わない方法もあります。外科療法を行わない場合でも顕著な骨再生が見られる場合もあります。

またご相談ください。

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院

 

 

197.抜歯した歯!

下写真は抜歯した歯です。

①②③は苦労して抜いた親知らずです。これだけ歯根が湾曲していると抜歯はかなり困難です。歯は歯を支えている骨から抜歯するわけですが、歯の方が硬くて骨の方が軟らかい(各々が違う硬さ)ので抜歯できるのだろうなとつくづく実感します。

④は重度の歯周病で抜歯した歯です。歯肉縁下歯石が根の先まで何層も付いています。これが歯槽骨を溶かしてしまう歯石です。歯茎の中についている歯石は「歯肉縁下歯石」といいます。歯周病菌の内毒素がたっぷり付着しています。

早い段階でこの歯石を取っておけば、この歯の運命も変わったはずです。

歯周病は早期発見、早期治療が大事です。

またご相談ください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院

196.痩せた歯茎の再生

今回は痩せた歯茎の再生がテーマです。

歯茎(歯肉)の移植を行いました。

体に侵襲が少ない「非外科療法」や、薬で歯周病を治す?「歯周内科」という言葉も最近よく耳にしますが、「外科療法」でなければ解決しないことも沢山ありますし、それが「悪」とも思いません。外科療法は大変だなぁと思われがちですが、手際よく、短時間で行えば大して侵襲が大きいとも思いません。将来を見据えた確実な治療が一番大事なことと思います。

さて、歯肉の移植(外科療法;保険診療)です。手術時間は30分程度です。左が術前、右が術後6カ月。この後、さらに歯肉は成熟していくことが予想されます。痩せていた歯茎に厚みができて、治ってきているのがわかります。

 

今回はエンベロープ法を用いて行っています。歯肉を袋状に切開して、そこに口蓋より採取た歯肉を移植しています。

以前は切開を縦に入れ歯肉を開いて移植していましたが、手術時間を短縮し、外科的侵襲を少なくするためにエンベロープ法を用いています。

このような治療も可能ですので歯茎が下がってお困りの方、ご相談ください。

私は、大学の学生時代から、大学附属病院(神奈川歯科大学附属病院)の医局員になって退職するまで、多くの先生に様々な方面から専門治療をご教授いただきました。

歯周病治療、補綴(入れ歯、咬み合わせ)、接着、、、、。学生さんの基礎実習で教えたり、授業をしたり、病院実習の指導医をしたり、、、基礎的なことを伝えているうちに自分の勉強にもなりました。

大学附属病院には、歯周病治療、入れ歯、歯の接着、、、各々の科に凄い先生たちがいて、毎日が刺激的でしたし本当にいろんな先生(教授、先輩の先生、同級生、後輩)にお世話になりました。そこで得た力をフルに発揮して富山(小矢部)でやっています。大学病院でやってきたことと異なることをやれば、私に熱心に教えていただいた先生方に失礼になります。

私の歯科医院は、素晴らしい歯科衛生士さんと技工士さんと共に日々の診療を行っています。

これからもフルパワーで診療していきます。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院