月別アーカイブ: 8月 2020
238.親知らずの移植
今回もまた親知らずの移植のケースです。
「歯の移植」を説明すると、そんなことが出来るのかとびっくりされる方も多いですが、親知らずの移植は保険診療で認められています。
赤矢印の歯は歯根破折(根が割れている)しているため抜歯するしかありません。青矢印部分に細菌感染による大きな骨吸収が確認できます。
そこで、赤矢印の歯を抜歯して、黄色〇の親知らずを移植する計画としました。
移植直後の写真です。
移植後2年経過しました。
移植した歯の周囲には歯槽骨の再生も確認でき、良好に経過しています。
この患者さんもとても熱心にブラッシングされます。歯間ブラシ、フロス、歯ブラシの3種類を使用されています。
治療の成功の鍵は患者さん自身のブラッシングにあるようです。
親知らずを抜歯する前に立ち止まってください。移植できるかもしれません!その歯は大事な親知らずかもしれません!!
またご相談ください!
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会 専門医
237.インプラント治療8年経過症例
今回はインプラント治療の紹介です。
患者さんの許可を得てアップしています。
人によっては、インプラントは最善の治療ではありません。その人にとって、またお口の中の状況によって最善な治療は、「入れ歯」であるかもしれませんし、「ブリッジ」であるかもしれません。
その人にとって最善なものがインプラントであった場合にそれを計画すべきと考えています。
70歳女性です。4番が歯根破折(歯の根が折れる)ため抜歯適応となりました。4、5、6と3本の歯がなくなってしまうためブリッジはできません。また、入れ歯にも抵抗があるためインプラント治療を計画することとしました。
インプラントは、4番と6番に計2本埋入予定。4番は9mmの長さ、6番は上顎洞があるためショートインプラント(6mm)を予定しました。
4番と6番にインプラントを埋入した直後の写真です。
それ後8年経過、現在78歳になられました。
7番は内冠(被せものを2重にして取り外せる)を装着して、インプラントと連結したブリッジになっています。
この患者さんは熱心にブラッシングも行ってくださいます。歯間ブラシ、フロス、歯ブラシと3種類使用されており、定期検診ではほとんどプラークはついていません。患者さん自身の努力で良好に経過しています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会 専門医