月別アーカイブ: 10月 2015

133.SRPによるレントゲンの変化 その2

今回も前回同様にSRP(スケーリング・ルートプレーニング)後のレントゲン像の変化を観察します。

SRPから6ヶ月後に歯の動揺度と歯周ポケット(9mmから4mmに減少)が改善していたためエックス線撮影を行ったところ、エックス線所見(下写真)においても改善が確認されました。


 

術前と術後の比較をすると青矢印部分のエックス線の不透過性が亢進(黒い部分が減少して白い部分が増えている)しています。

この患者さんは、とてもプラークコントロールが良好で熱心に通院されています。歯科医や歯科衛生士の治療のみでは歯周病は改善しません。失った骨がいきなりできる材料や歯周病菌を死滅させる薬もありません。

如何に良好なプラークコントロール(患者さん自身による歯間ブラシ・フロス・歯ブラシで行うプラークの除去)を普段から行っていただくかが重要になります。

 


日本歯周病学会 歯周病専門医

渡辺歯科医院

132.SRPによるレントゲンの変化 その1

今回はSRPによるレントゲン像の変化についてです。

歯周病治療で最も重要なのは、「歯周基本治療」になります。

ブラッシング(歯間ブラシ、歯ブラシ)、スケーリング(歯茎の上の歯石除去)、PMTC(歯科医院で行う歯面清掃)により歯茎の上の細菌の除去を行った後に、歯茎の中の細菌の除去を行っていく必要があります。それをSRP(スケーリング・ルートプレーニング)といいます。

SRP

 

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)はHPの「歯周基本治療編」を参照してください。

SRP後の歯周組織の治り方は、通常は以下のように長い上皮性付着となりますが、歯槽骨が再生する場合もあります。

長い上皮性付着

 

レントゲン写真をご覧ください。


 

術前術後で比較すると青矢印部分の歯槽骨の再生が確認できます。この症例ではGTR法、自家骨移植などの再生外科療法を行っていませんが、SRPのみで歯槽骨再生が確認できました。

よく患者さんに「HPを見てエムドゲインなど骨を再生させる治療をおこなっているのですよね」と聞かれることが多いのですが、そのような外科療法の前に必ず「歯周基本治療」を行ってできるだけ細菌数を減らす必要性があります。

 


日本歯周病学会 歯周病専門医

渡辺歯科院