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22.歯周病症例
45歳女性の患者さんです。
インレー(小さな金属)が外れて来院されました。特に上顎舌側歯肉の炎症が見られます。エックス線所見および歯周組織検査です。オレンジの○部分の骨吸収像と同部位に6mm以上の歯周ポケットが認められます。
治療計画です。
通常通り、歯周基本治療(ブラッシングの練習、スケーリング・ルートプレーニング)を行い、奥歯の噛み合わせの調整(歯ぎしり時)を行い、その後に再評価をして歯周外科処置を行っています。
本症例は、上顎左右小臼歯部分の付着歯肉幅(動かない歯肉)が不足しています。付着歯肉は、少なくても歯肉の健康が維持されていれば経過をみていけばいいのですが、この患者さんの場合、歯ブラシが困難なため同部位が齲蝕(虫歯)になってしまいました。そのため、同部位に遊離歯肉移植術を行っています。また、歯周ポケットの深い部位にフラップオペレーションを行っています。
術後の口腔内写真・エックス線写真・歯周組織検査です。
付着歯肉を獲得した部位は歯肉が安定し、大臼歯部の歯周ポケットが改善しています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医