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206.根管治療

今回は根管治療の説明です。

レントゲン写真を撮影すると、「歯髄腔」という部分が見えます。そこには、「歯髄」という組織があります。(下写真)

 

「歯髄」を写真と模式図で見てみます。

その写真が歯髄です。歯の中は決して空洞ではなく、この「歯髄」という組織があるのです。その歯髄の中に「神経線維」や「血管」が含まれているのです。歯髄の中に血管があるということは、白血球がいて細菌から防衛してくれていたり、栄養分を歯に供給してくれているのです。

「神経をとりますね」という言葉は、本当は、「神経線維や歯の栄養供給している血管を根こそぎ歯の中から取ってしまいますね。その際に、細菌感染する可能性も十分にありますよ」という意味まのです。そのため、「神経は取ってあるのに歯が痛い」などの訴えがある場合は当然で、歯髄(神経線維や血管)を取った時に侵入した感染した細菌が繁殖して根の先で炎症を起こしているのです。

写真は根管治療の術前(上)および術後(下)の写真です。

術前写真(上)のオレンジの部分に黒い影が見えます。これは、以前に「歯髄」を取られて感染しています。つまり、根管内で細菌が増殖しているため根の先に炎症が波及して骨が溶けている状態なのです。治療法としては、「根管治療」を行う必要があります。一度細菌感染した根管内の消毒を行います。その結果、下写真では骨再生が観察され完治しています。

 

また、下の症例でも術前写真では根の先に黒い影があります。これも根管が汚染されて根の先の骨が吸収しているのです。

術後写真は根管治療後7年経過の写真です。根の先の骨が再生して完治しています。

 

当院は根管治療はマイクロスコープ下において精密に行っています。もちろん保険診療で行っていますので、お困りの方がいましたらご相談ください。

 

日本歯周病学会 歯周病専門医

日本補綴歯科学会 専門医

渡辺歯科医院