月別アーカイブ: 7月 2018
190.親知らず→前歯(歯の移植手術)
今回も親知らずの移植手術です。
患者さんはオレンジ〇の歯(右上1)の違和感で来院されました。他院で根管治療を受けたが症状が改善せずに当院を受診されました。
マイクロスコープ(顕微鏡)で確認すると、歯根破折していました。破折線は長く、根尖に達していました。前医でMTAセメントで根管充填してありましたが歯根破折には気づかれていなかったようです。
そこで、オレンジ〇の歯を抜歯して青○(左上親知らず)を移植する計画としました。幸い、この親知らずはサイズが小さいため、前歯に利用できそうです。
抜歯しました。予想通り、唇側の歯槽骨は歯根破折にて骨吸収しており裂開状に骨欠損があります。
その後、親知らずを移植し縫合糸にて固定しました。
固定後、審美的に問題が起きないように仮歯を移植した歯の前に置いてカバーしています。
術直後(移植した直後)のレントゲン写真です。
その後、根管治療を施し、前装冠を被せました。
レントゲン写真も問題ありません。
親知らずの移植は保険診療の適応症です。
今回は、親知らずのサイズが小さく前歯に利用することができました。インプラントも治療法を選択するうえで考えられますが、ご自分の歯を利用できれば一番良いに決まっています。
またご相談ください。もしかすると、お役に立てる治療法があるかもしれません!
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
189.インプラント治療
今回はインプラント治療です。
歯がなくなってしまった場所に行う治療として、①歯の移植②入れ歯③ブリッジ④インプラントとありますが、私は第一選択としてインプラント治療は考えていません。それは、インプラントは欠点が多いからです。
まず、1.歯周病菌に感染する可能性があること、2.どの歯科医院でも修理が可能ではないことなどがあります。
今回の患者さんは、70代の方で、上が総入れ歯、下が部分入れ歯でした。どうしてもインプラントをやりたいというモチベーションで、1年以上かかって少しずつ入れ歯を修理しながら行いました。
術前のレントゲンです。
術後のレントゲンです。このケースでは、上顎前部分以外は骨幅も高さもありGBRなど特殊な方法は用いずに行いました。上顎前歯部は3mmの幅のインプラント、その他は4mmの幅のインプラントを使用して径4本埋入しました。
インプラント治療の希望があっても、歯周病が治癒していない方、プラークコントロールが不良な場合、骨幅や高さがない場合は困難です。当院では患者さんの理解がしっかりと得られてから行っています。
またご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院