月別アーカイブ: 10月 2020
245.歯の移植(4年経過)
今回も移植のケースです。
オレンジの×印の歯は根の先まで骨吸収があり抜歯するしか方法はありません。そこで、青〇の親知らずが放置され余っています。
そこで、オレンジ×の歯を抜歯して、青〇の親知らずを同部位へと移植する計画としました。
移植直後のエックス線所見です。
移植後、4ヶ月のエックス線写真です。移植した歯は1ヶ月後より根管治療→支台築造(歯の土台)→ブリッジへと治療を進めました。
4年後のエックス線写真です。移植した歯に問題はなく順調に経過しています。
4か月後と4年後の比較です。オレンジ矢印部分の骨が綺麗に再生しているのが確認できます。
また、反対側の歯にあった根の先の膿も根管治療によって骨再生が確認できます。
患者さんは4ヶ月毎のメインテナンスで来院されており順調に経過しています。
歯の移植や根管治療は難易度が高く100%成功するとはいえません。しかしながら、余っている歯があれば移植にトライすることは有効な手段であると考えています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会 専門医
博士(歯学)
244. 歯(親知らず)の移植
今回は歯の移植についてです。
オレンジ矢印の歯は重度の歯周病に罹患しており抜歯適応となりました。そこで、オレンジ矢印の歯を抜歯して、青〇の親知らずを同部位に移植する計画としました。
真ん中の写真は、移植直後の写真です。
移植した歯の周囲には歯根膜という組織があり、その歯根膜幹細胞が骨を形成する骨芽細胞や歯茎を形成する線維芽細胞へと分化して歯の周囲の組織が出来ていきます。
右写真が術後4年です。
移植した歯の周囲に骨が再生しているのが確認できます。
デンタルエックス線所見です。
移植直後と4年後です。
歯の周囲に骨が形成され安定しています。
親知らずの移植は保険診療で可能です。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会専門医
博士(歯学)
243.根管治療
今回も根管治療の紹介です。
患者さんの許可を得て掲載しています。
左の写真が術前です。オレンジ矢印部分に黒い影があります。
根管内が細菌感染しているため、根の先に炎症が起きています。症状としては、歯茎が腫れる、膿が出る、咬むと痛いなどです。
治療は金属冠を外して根管内の消毒を行います。
真ん中の写真は、根管治療終了直後の写真です。根管内は洗浄されたものの骨再生には時間がかかるため、この時点ではまだレントゲンでは黒い影が観察できます。
術後4ヶ月の写真が右です。根の先の黒い影がなくなり、骨が再生したことが確認されます。
根管治療はCT撮影とマイクロスコープは必須と私は考えています。根管治療におけるCT撮影も保険で認められています。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会 専門医
博士(歯学)
242.根管治療
今回も根管治療です。
患者さんに許可を得てアップしています。
今回のケースはかなり難易度が高く、根気・体力・集中力が必要でした。
術前のレントゲンです。
パノラマ、デンタルの写真でわかるように大きな病巣です。また、CT撮影も行いました。CT写真の「前から見た断層撮影」では、オレンジ矢印が病巣で、青矢印が下顎管といって神経線維や血管の束が走行している空間です。この下顎管まで病巣が大きくなれば、唇の痺れなど大きな問題が起きることが予想されるため、慎重に根管治療を行う必要がありました。
さらに、デンタルエックス線写真で確認できるように「破折ファイル」といって根管治療中に折れた器具が残っていました。患者さんの症状としては、痛みと歯茎の大きな腫れがありました。
このような大きな病巣がある場合では、きちんと根管治療を行ってからレントゲンにて病巣が縮小してから被せものへと治療を進めていく必要があるのですが、慌てて被せものの治療がなされ当院に来院されました。
治療はCT撮影により根管の数、走行などが詳細に観察できます。また、前回のケースと同じようにマイクロスコープは必須になります。根管の中を拡大、洗浄を行い、破折ファイルの除去を行いました。この曲がった破折ファイルの除去はとても困難でしたが、何とか除去することができました。
根管治療から4か月後の状態です。この間、治療は3~4回行っています。
術前・4か月後の比較写真です。
根尖病巣はどの写真を見ても縮小しています。これで根管治療は成功といえます。この状態を確認できてから補綴診療を行うべきです。
今回も保険診療で行っています。
またご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会専門医
博士(歯学)
渡辺歯科医院
240.根管治療
今回も根管治療のケースです。
左が術前の写真です。矢印部分が大きく感染して黒い影となって写っています。歯の中(根管内)が細菌感染しているためにこのようなことが起こります。
右写真は根管治療(根の中の消毒)を行ってから1年経過後の写真です。黒い影が随分小さくなっています。経過観察に長い期間がかかりましたが、このように治癒を確認した後に補綴治療(被せものを入れる治療)を行うことはとても重要です。
私は、「CT撮影」と「マイクロスコープ」があってこそ根管治療が正確に行えると考えています。全ての患者さんに根管治療を行う場合、「マイクロスコープ」を必ず使用しています。また、保険診療でもマイクロスコープによる根管治療は可能ですし、CT撮影も行うことができます。
正確な根管治療にはこの2つは必須と考えています。
下写真はマイクロスコープによる根管治療です。
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会専門医
博士(歯学)
渡辺歯科医院