月別アーカイブ: 11月 2016
161.インプラント周囲の歯肉環境
今回は久しぶりのインプラント症例です。
インプラントは装着した後が重要になります。
インプラントは、歯周病菌に感染したり咬み合わせで壊れてしまったりするため、術後の管理が何よりも重要になります。
そのため、プラークコントロール(ブラッシング:歯ブラシや歯間ブラシ)を上手く行えない患者さんは、インプラントを希望されても行えない場合もあります。
今回は以前にご紹介したインプラントの周囲の歯肉についてのご紹介です。
下写真はインプラントを行う前の写真になります。左写真の状態では、インプラントを行っても十分な角化組織(動かない歯肉)が少ないためにブラッシングが困難になります。右写真は角化組織(動かない歯肉)を増やした後の写真になります。
それではどうやって角化組織(動かない歯肉)を増やすのか?
下写真ですが動かない歯肉を口蓋(上顎の裏)から採取して移植しました。このようにして角化組織を増やします。この治療はそんなに難しい治療でもなく、30~40分くらいで行えます。
このようにインプラント治療を行う前に歯肉の環境を整えることが重要であると考えています。
そしてインプラントを埋入しました。
下写真ですが、左はインプラントフィクスチャーに土台を立てた写真、右は金属冠を装着した写真になります。
インプラント周囲には十分な角化組織(動かない歯肉)が存在しています。そのため、歯ブラシや歯間ブラシによる口腔清掃が十分行える環境になりました。
インプラントは、行うことより、行った後の管理がとても重要になります。術後、ブラッシングを行いやすい環境を先に作っておくことがインプラント治療の成功へと繋がると考えています。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院