月別アーカイブ: 3月 2020
228.上顎奥歯の歯周病(歯根の移植)
歯周病治療で最も困難である上顎奥歯の治療。
上顎の奥歯は基本的に歯根が3本あります。この歯根と歯根の間まで歯周病(感染)が進行してしまっている場合、「根分岐部病変」と呼ばれ歯周病治療が非常に困難になります。それは、歯根と歯根の間の感染を完全に取り除くことが難しいからです。
このような場合、①、②、③の歯根のうち、状態の悪い歯根を1本か2本抜歯して状態の良い歯根を残します。これを、分割抜歯といいます。歯を1本丸ごと抜歯するのではなく、部分的に抜歯し状態の良い歯根を保存するのです。
今回は、下写真の方法をとりました。②の歯根は状態が悪いので抜歯し、③の歯根は状態が良いので保存。①の歯根を保存すると、その後に冠を被せた後にブラッシングが行いにくくなるため、①の歯根も抜歯する予定でしたが歯の無い部分に移植することとしました。
右写真は移植後数カ月経過して、冠を被せた状態です。
普段は行わない治療法ですが、①の歯根の状態が良く、抜歯するだけでは勿体ないため、歯の無い部分に移植しました。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院
227. 歯(親知らず)の移植
今回も親知らずの移植のケースです。
※患者さんの了承を得て掲載しています。
オレンジ〇の歯は歯根が割れているため青矢印部分が感染して骨が吸収しています。そのため抜歯するしかありません。
しかしながら、青○の親知らずが咬む歯もなく余っています。そこで、オレンジ〇の歯を抜歯して、青○の親知らずをその場所へ移植する計画としました。
親知らずを移植した直後の写真です。
移植後数カ月の写真です。
移植した歯は動揺もなく経過良好です。
抜歯した後の治療法としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントの方法がありますが、「歯の移植」が最も有効な方法です。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院