月別アーカイブ: 11月 2012

40.歯周組織の感染防御機構

歯周組織は、1.歯根膜、2.歯槽骨、3.歯肉の3つの血管系から血液供給されている。この血液供給が細菌感染に対する防御に極めて重要です。(ラタイチャーク カラーアトラス歯周病学より改変引用)

 

血管内の感染防御機構には、非特異的免疫および特異的免疫があり生体防御しています。

 

菌数が多くなるとこれらの防御機構が追いつかず機能しなくなってきます。そのため、細菌数を出来るだけ少なくするために、正しいブラッシングが必要となります。特に、歯間ブラシやデンタルフロスの歯と歯の間のプラークコントロールは最も重要です。疲れてしまって歯ブラシが出来なくても、歯間ブラシやフロスは必ず行う必要があります。

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

 

39.根面被覆(歯肉退縮:症例2)

根面被覆症例です。前回の根面被覆症例と同じくMillerの分類のClass1です。

歯茎が痩せた部分に上顎(口蓋)より結合組織を採取し、患部に移植しました。

 

写真は術前→2か月半後→1年半後です。経過良好です。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

38.自家骨移植(再生外科療法)

70歳男性です。

昨年10月に歯周病治療を希望で来院されました。

歯周基本治療(ブラッシング、スケーリング・ルートプレーニング、虫歯治療)が終了した状態です。

左上2の近心(手前側:○の部分)に7mmの歯周ポケットが認められます。

限局した骨欠損であるため、自家骨移植(再生外科療法)を選択しました。重度歯周炎で根の先まで骨吸収が進行している場合は、骨再生は困難です。

術前~術中(掃除終了時)~自家骨移植時の写真です。

オレンジ○の部分が骨欠損を示します。掃除が終わった部分(真ん中写真)に自家骨移植(右写真)を行いました。

自家骨移植とは、患者さん自身の骨の移植です。歯肉を開いたときに、周囲の骨を少し採取して、骨が失われた部分に移植します。

次にレントゲン写真の変化を見ていきます。

オレンジ○で囲んだ部分が骨吸収像を示します。

術前~基本治療終了後~術後を示します。 オレンジラインで囲んだ部分が骨吸収を起こした部分になります。オレンジで囲んだ部分が小さくなっています。

術後、骨が再生したことを示します。

基本治療で、①徹底的なブラッシングをして歯肉の上の炎症をとること、②歯肉の中の歯肉縁下歯石を取り除くこと、が重要です。初診で来院されていきなり自家骨移植などの歯周外科処置を行っても上手く行きません。いかに基本治療で炎症をコントロールするかが鍵となります。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

37.歯のホワイトニング2(神経のない歯)

前回、ご紹介したウォーキングブリーチ法です。

術前写真です。

前回と同じように、薬を2回交換して3週間後です。

神経のない歯で裏側から漂白しています。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医