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142.歯科医が警告する「歯ブラシが不潔になる」NG保管法3つ
当院が取材をうけた記事(ライター:坂本正敬さん)がアップされました。
是非ご覧になってください☆
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
141.歯の移植術(自家歯牙移植)
今回は歯の移植の症例をご紹介します。患者さんに許可を得てご紹介させていただいています。
このblogで数回登場していますが、今回は歯のない部分にソケット形成(穴を掘ること)した後に移植したケースです。
下の真ん中の写真をご覧ください。青○で囲まれた部分に金属冠が被った歯があります。この歯は他の歯と重なっていますので歯磨きも困難な状態です。周囲の歯も虫歯になったり歯周病を惹起することも考えられます。
そこで、オレンジ○部分に歯がないためそこへ移植する計画としました。今回は親知らず(前から8番目の歯)の移植ではないため保険適応外の診療となりました。※親知らずの移植では保険適応になります。
右上写真は抜歯後の状態です。左写真は移植完了後の写真で縫合した状態です。縫合糸で固定しています。
下は術前、術後のレントゲン像です。青○部分の歯をオレンジ○へ移植した状態です。この術後のレントゲンは根管治療終了後で3ヶ月後の写真です。
下は術前、術中、術後の口腔内写真です。歯のない部分に歯が入りました。術後写真は仮歯でこれから金属冠を入れる予定になっています。
このように、抜かなければならない歯を失った歯の部分へと移植することは有益なことです。インプラントより機能的ですし感染にも強い。欠損部分にインプラント治療を考えていらっしゃる方などいらっしゃいましたら、その前に「歯の移植」が可能であればよりベターな方法といえます。
ご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
140.歯周ポケットに対する外科治療の考え方
今回は上記のタイトルで歯周ポケットを改善する外科療法の考え方についての説明になります。
歯周外科療法といっても、初診で来院されてすぐに行う訳ではなく、歯周基本治療といってブラッシング(歯間ブラシを中心とした歯磨き)、スケーリング(歯茎の上の歯石除去)、SRP(歯茎の中の歯石除去)を経て歯周ポケットが改善しない場合に行います。
その歯周外科療法の考え方ですが、3通りあります。歯周ポケットがある部分を歯に付着させる①組織付着療法、積極的に歯周ポケットを切除してしまう②切除療法、そして失った歯槽骨、セメント質、歯根膜を再生させる③歯周組織再生療法があります。
どれを選択するかは、その歯、歯肉、歯槽骨の欠損の状況によります。簡単に説明すると、洋服のポケットに置き換えて説明しましょう。
下図の洋服のポケットに定規が入っています。ポケットを浅くして定規をもっと見えるようにする(ポケットを浅くする)にはどうすればいいのかを考えます。
下図をご覧ください。一番上はポケットの下の部分を糸で縫いつけてポケットが浅くなりました。真ん中はポケット自体を外してしまいました。一番下はポケットの中に物を入れたためポケットが浅くなりました。歯周ポケットも①付着させるのか、②積極的にポケット自体をなくしてしまうのか、③骨移植などで再生させるのかという考え方になります。
各々がそれぞれの外科療法のイメージになります。
①組織付着療法というのはポケットを糸で縫いつけたようなイメージで、下図の点線部分の上皮を歯に付着させ歯周ポケットを浅くさせます。
②切除療法というのはポケットを形成している歯槽骨部分(下図の点線に囲まれた部分)を積極的に骨削除してポケットをなくしてしまう処置です。歯周ポケットの再発は少ないですが、歯肉のラインが下がってしまうという欠点があります。
③歯周組織再生療法というのは、自家骨移植やGTR法などをいいます。自家骨移植は下図の点線に囲まれた部分(骨欠損:骨が失われた部分)に自家骨(ご自分の骨)などを移植して積極的に再生を狙う処置になります。
どの療法が良いのかは、歯肉、歯槽骨、周りの歯との関係、歯の傾斜具合、歯の生えている位置、患者さんの年齢やプラークコントロールの状況などいろいろな要素を考慮して決定します。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
137.清潔な診療を心がける!
今回は診療室の「清潔」がテーマです。
患者さんのお口の中を触った手で、いろんな道具や器具を触ってしまうと次の患者さんにとっては気持ちの良いものではありません。そこで、当院では次のような方法ををとっています。
写真(上)のように患者さんのお口の中を触るときは左右のグローブを表面に装着し、共通で使う器具や道具を触るときは、写真(下)のように左右グローブの表面同士を重ねあわせて右手に装着します。
こうすることで、いろんなものを触った手で患者さんのお口の中に手を入れることもありませんし、共通で使用する道具も汚染されることはありません。
具体例です。左写真は○、右写真は×。
同じように引出を開ける時も口腔内を触った手で開けてはいけません。
次に、器具の滅菌についてです。
当院では歯を削る器具も患者さんごとに毎回滅菌します。最近の器械は、感染対策として唾液を吸い込まない機能がありますが、歯を削ったり、歯石の除去を行う際には、器具本体に唾液や血液が付着します。その為、感染対策ガイドラインでも、歯を削る器具は患者さん一人ごとの交換が必要であると明記されています。
たとえ感染症がなくても、前の患者さんに使った器具を拭いただけで使われたら、気持ちがいいものではありません。このように全て滅菌します。
大き目の器具、ミラーピンセットなどの滅菌は下写真のオートクレーブで滅菌します。
このように当院では2台のオートクレーブで滅菌を行っています。
最後に診療室の空気についてです。
診療室の空気も清潔にしておく必要があります。入れ歯を削った時など、細菌が粉塵が診療室内を飛び回ってしまっては清潔な診療室とは言えません。
そこで、その有害な浮遊粉塵をすばやくキャッチし吸引するフリーアーム(強力な掃除機)を使用しています。患者さんはもちろん、スタッフの健康を守ります。
出来るだけ清潔な環境で毎日の診療が行えるようにしていきます。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
135.歯周病治療に重要な冠の形態 その2
今回も歯周病治療と補綴治療の関係の説明です。
写真は歯周病治療後に補綴装置(ブリッジ)を装着しています。
※正確には、補綴治療(被せ物や義歯を扱う治療)も一連の歯周病治療に含まれます。そのため、歯周病治療と補綴治療を別物とする考え方はナンセンスで各々の治療に深い関連性が無ければならないと考えています。
このブリッジ、歯間ブラシが入りやすいように工夫しています。オレンジ部分の形態を平行にすることにより歯間ブラシ(赤矢印から歯間ブラシを挿入)によるプラークコントロールを行いやすくしています。
また、一番奥の歯は根が3本ある歯です。この症例の場合、オレンジ矢印部分の歯周病が進行し、「Ⅲ度の根分岐部病変」という状態になっています。※歯根(歯の根)の間に歯周炎が進行している状態を示します。
そのため、下写真のように②と③の根の間から歯間ブラシ(赤矢印の方向から挿入)を挿入して清掃が行えるように工夫しています。
被せ物の形態を工夫することで、患者さんのプラークコントロール(清掃)の効率を上げることはとても重要です。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
134.歯周病治療に重要な冠の形態
今回は歯周病治療に重要な冠(被せ物)の形態についての解説です。
歯周病治療は、歯周基本治療から始まり、歯周外科療法、そして補綴治療といって冠(被せ物)を被せてその後メインテナンスへと移行します。
折角、歯周病治療で成果が得られても装着した冠の形態不良によりブラッシングが行いにくくなれば台無しとなります。
下写真は術前および術後の冠を丸で囲んでいます。あまり違いはないように見えます。
では、レントゲンで比較します。
左(術前)と右(術後)では冠の豊隆に差があるのがわかります。当然、右(術後)の方が歯ブラシが行いやすい冠の形態といえます。特に、奥歯は歯ブラシが届きにくいため良好なプラークコントロールが行いにくいため、歯周ポケットが改善しにくい部位でもあります。
私たち歯科医はただ冠を被せるのではなく、術後に良好なプラークコントロールを行っていただくためにブラッシングを行いやすい形態の冠を装着することが重要になります。
奥歯の奥は、ワンタフトブラシがお勧めです。ヘッドが小さいためブラッシングが行いやすいです。
日本歯周病学会 歯周病専門医
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133.SRPによるレントゲンの変化 その2
今回も前回同様にSRP(スケーリング・ルートプレーニング)後のレントゲン像の変化を観察します。
SRPから6ヶ月後に歯の動揺度と歯周ポケット(9mmから4mmに減少)が改善していたためエックス線撮影を行ったところ、エックス線所見(下写真)においても改善が確認されました。
術前と術後の比較をすると青矢印部分のエックス線の不透過性が亢進(黒い部分が減少して白い部分が増えている)しています。
この患者さんは、とてもプラークコントロールが良好で熱心に通院されています。歯科医や歯科衛生士の治療のみでは歯周病は改善しません。失った骨がいきなりできる材料や歯周病菌を死滅させる薬もありません。
如何に良好なプラークコントロール(患者さん自身による歯間ブラシ・フロス・歯ブラシで行うプラークの除去)を普段から行っていただくかが重要になります。
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