今回は歯の移植の症例をご紹介します。患者さんに許可を得てご紹介させていただいています。
このblogで数回登場していますが、今回は歯のない部分にソケット形成(穴を掘ること)した後に移植したケースです。
下の真ん中の写真をご覧ください。青○で囲まれた部分に金属冠が被った歯があります。この歯は他の歯と重なっていますので歯磨きも困難な状態です。周囲の歯も虫歯になったり歯周病を惹起することも考えられます。
そこで、オレンジ○部分に歯がないためそこへ移植する計画としました。今回は親知らず(前から8番目の歯)の移植ではないため保険適応外の診療となりました。※親知らずの移植では保険適応になります。
右上写真は抜歯後の状態です。左写真は移植完了後の写真で縫合した状態です。縫合糸で固定しています。
下は術前、術後のレントゲン像です。青○部分の歯をオレンジ○へ移植した状態です。この術後のレントゲンは根管治療終了後で3ヶ月後の写真です。
下は術前、術中、術後の口腔内写真です。歯のない部分に歯が入りました。術後写真は仮歯でこれから金属冠を入れる予定になっています。
このように、抜かなければならない歯を失った歯の部分へと移植することは有益なことです。インプラントより機能的ですし感染にも強い。欠損部分にインプラント治療を考えていらっしゃる方などいらっしゃいましたら、その前に「歯の移植」が可能であればよりベターな方法といえます。
ご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院