12/11(木)に、小矢部市総合保険福祉センターにて食生活改善推進員研修会にて「歯周病」について講演会をさせていただきました。
歯周病の成因、全身疾患との関係、治療法などを症例を交えて説明させていただきました。blog にてまた説明していきたいと思います。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
今回は、限局した部分に重度歯周炎が認められたケースです・
○で囲んだ部分に深い歯周ポケット(9mm)があります。
レントゲン写真です。黄色の点線が骨欠損底部(骨が吸収したライン)になります。重度の歯周炎です。
歯周基本治療が終了して、歯周外科手術中の写真です。
点線部分に広くて深い歯槽骨の欠損が認められます。
そこに、自家骨を移植しました。
その後、GTR膜を固定して縫合しました。
術後8ヶ月後のレントゲン写真(左が術前、右が術後)です。歯槽骨の再生が確認できます。歯周ポケットも改善し、プロービングデプスは3mmになりました。
このケースでは、プラークによる細菌感染はもちろんですが、歯ぎしりによる噛み合わせの因子が強く関わっていたため歯周炎が重篤化したと思っています。
この患者さんは、ワンタフトブラシ、歯間ブラシ、フロスと3種類の清掃器具を使ってきちんとブラッシングされています。また、夜間の歯ぎしりを防止するためにマウスピースを使用して就寝されています。
患者さんの協力があってこそ治療が成功したケースです。どれだけ上手く手術してもプラークコントロールが出来ていなければ治療は成功しません。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
期間が少し空いてしまいましたがBlogを再開致します。
・坂本正敬氏より当歯科医院が受けた取材が以下の記事に掲載されました。ご覧になってください。
①WooRis(ウーリス)記事
どうせ生え変わるから…はNG!「乳歯の虫歯を放置」しちゃダメな理由とは
②VenusTap(ヴィーナスタップ)記事
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
6歳の男の子です。
矢印部分に歯肉から膿瘍形成が観察されます。
歯肉から膿が出ていれば歯周病ではないかと思われますが、根管(歯の中の神経や血管が入っていて部分)の中の感染により生じています。また、年齢から歯周炎(歯周病が進み骨吸収が起こった状態)は考えられません。
レントゲンを見ると○部分にエックス線透過像が観察されていますので、根尖部に膿瘍があることが分ります。
根管内の消毒を行って、根管充填をおこないました。
根管治療を行い、半年後のレントゲン写真です。根尖部のエックス線透過像が改善されました。
歯肉膿瘍があれば全てが歯周病由来ではありません。根管由来の病変、歯周病由来の病変、またはその両方を組み合わせたものが考えられます。
また、口内炎、腫瘍等も考えられますので、ご相談なさってください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
インプラント治療です。 右上オレンジ○部分が欠損しています。

この部分は4,5、6、7と4本の歯が欠損しています。さらに左右上下臼歯部が欠損しているので、その部位に対して補綴処置(インプラントや義歯による噛み合わせの確立)を行いたいところですが、患者さんの希望もあるため今回は右上オレンジ○部分のみにインプラント治療を計画しました。 右上4部位は頬側部分の骨吸収が大きいため、少し遠心(奥側)にずらして2本埋入しました。上顎洞との距離も問題ないと考えられます。
直径4mm、長さ9mmのインプラントを2本埋入してブリッジにしました。
術後半年以上が経過して4ヶ月毎のメインテナンスを行っています。メインテナンス中に左上5(インプラントと反対側の歯)が歯根破折し、その部分にもインプラント治療を計画していますが、現在経過観察中です。
インプラント治療は、最優先の治療計画ではありません。①取り外しの入れ歯(義歯)、②両隣りの歯があれば歯を削ってブリッジ、③インプラントの順番かと思います。健全な両隣りの歯があれば、やはりブリッジが良いと思います。 インプラントは歯周病菌に感染します。また、噛み合わせの与え方も難しいのです。治療を行った後に、メインテナンスを一番行いやすいのは入れ歯(取り外し)になります。後のことを考え、歯周病治療も含めたメインテナンスを行っていかなければ、「長く機能」しないのです。
インプラントはあくまでも治療のオプションの一つです。 ご希望がありましたらご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医 渡辺歯科医院
今回は、重度歯周炎の骨再生が認められたケースを紹介します。
どうしても抜歯したくないとの希望で、歯周病専門医を探して来院された患者さんです。
前医では、抜歯してインプラント治療を勧められたとのことです。
歯槽骨が根尖(根の先)まで吸収してしまい、大きな動揺が観察されます。プロービングデプス(歯周ポケットの深さ)は7mm以上と深いです。そして生活歯(神経のある歯)です。
他の歯は問題なく、当該歯のみが重度歯周炎に罹患しています。
普通であれば抜歯のケースですが、1歯のみ重度であるため何か局所に加わる炎症性因子と外傷性因子が考えられ、またその他の環境因子が関係しているように思われます。
まず、付着歯肉がないことが大きな問題と考えました。要は、歯の周りを囲む「動かない歯茎」がほとんど無いことが問題を引き起こす環境因子になっているということです。
そこで、治療計画です。
まずはブラッシング指導、次に歯肉上に付着している歯石および歯肉下に付着している歯石の除去を行います。その間に、歯牙の暫間的固定を行っています。そして、付着歯肉獲得のために遊離歯肉移植を行いました。
治療経過です。
レントゲンで初診→再評価→術後と歯槽骨の再生が観察されます。
フラップ手術や自家骨移植を予定していましたが、SRP(歯肉縁下歯石の除去)のみで骨再生が生じ、抜歯予定の歯を保存することが出来ました。
全てのケースが上手く行くわけではありませんが、様々な要因を一つずつ考えていくことが重要と思われます。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
小学館ブログサイト「WooRis」に坂本正敬さんの記事が掲載されました。
是非、ご一読なさってください。
タイトルは、
『虫歯治療の落とし穴!「神経を抜く」と5年後に歯を失う恐れも』
http://wooris.jp/archives/80046
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医
「歯茎から膿が出てきました。歯周病ですか?」とよく言われます。
写真の矢印の部分を見ていただくと、歯茎から膿が出てきています。
なにが原因でこの膿が出てきたのでしょうか?
次の2つのことが考えられます。①歯周病(歯周炎) ②根尖病巣(虫歯が原因で神経を取った歯)のどちらかの疾患が予想されます。今回はどちらでしょうか?
検査1
歯周ポケット深さを測定すれば歯周病かどうかが分ります。下図のように歯周ポケット深さを測定し、その深さが1~3mm程度であれば歯周病(歯周炎)は考えにくいのです。今回は歯周ポケットは存在しませんでした。
検査2
次にレントゲン撮影をします。
このレントゲンで分るのは、神経を取った歯ということです。神経を取った歯は、歯の芯の部分に薬が入っています。よく「歯医者で神経取った」と言われます。歯の中には、神経だけでなく血管が存在します。「神経を取る」というのは、「神経も血管も取る」ということなのです。歯の中の血管を取ってしまえば、白血球が存在しなくなります。神経や血管を取った際に、歯の中に細菌が残ってしまえば後から膿んでくる可能性が非常に高くなるのです。
ですから、できるだけ「神経」は取らない方が良いのです。
※参考に、下図の写真は神経や血管を取っていない歯のレントゲン写真です。歯の中に材料が入っていないのが分ります。つまり、神経のある歯は血が通っていて白血球が警備してくれているため、絶対に膿んでくることはないのです。
結論
ですから、今回のケースでは、①歯茎からの膿、②歯周ポケットがない、③神経(血管も)を取った歯であるため、歯周病ではなく「根尖病巣」といって歯の中で増えた細菌が原因ということが分ります。
今回の治療としては、歯の裏側の詰め物を外して、歯の中に入っている薬を交換し除菌する必要があります。
原因がどこにあるのかで治療法は変わります。是非ご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院
