今回も親知らずの移植についてです。
左は術前の写真です。×の歯は歯根破折(根が割れている)のため抜歯となりました。歯が割れており、そこに細菌感染したため周囲の骨が大きく吸収しています。
そのため、×の歯を抜歯して余っている親知らず(青〇の歯)を移植しました。
真ん中の写真は移植直後の写真です。矢印部分に注目すると黒い影となっており、まだ周囲の骨が吸収しているのが確認できます。
右の写真は、移植後1年11カ月の写真になります。矢印部分の骨が再生したため黒い影が消失しています。
移植した親知らずの周囲には「歯根膜」という組織があります。そこにある未分化間葉系細胞が骨芽細胞へと分化します。その骨芽細胞が歯の周囲に骨を形成するのです。
親知らずを抜歯する前に、移植に使えるかもしれません!
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医・指導医
日本補綴歯科学会 専門医