喫煙は、歯周病の最大のリスクファクターです。タバコの煙にはニコチン以外に4000にも上る毒性、発癌性物質が含まれます。
喫煙者は非喫煙者に比べて2~8倍、歯周病に罹患しやすいことが報告されています。また、歯周病の治癒を遅らせます。
喫煙は、ニコチン作用により血管収縮をおこします。下図で示すように歯周組織には血管網が発達しており、感染に対して防御しています。喫煙は、微小血管系機能を低下させ、好中球やマクロファージの機能低下を起し、その結果治癒が遅れます。
また、喫煙は、歯周病菌に対する抗体産生が抑制されるなど免疫応答が変化してしまい、歯周病のリスクを高めることが報告されています。
1日の喫煙量も問題ですが、喫煙を行った期間も重要になるといわれています。つまり、禁煙を長期間続けていかなければなりません。
プラークコントロールを行い、細菌数を少なくすることも重要ですが、喫煙によって体の抵抗力を下げないようにすることが大切になります。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医