漢方では病気の原因に対処することを「本治(ほんち)」と呼び,その原因によって生じる症状を治療することを「標治(ひょうち)」と区別しています。
歯周病治療では、「原因除去療法」=「本治」、「対症療法」=「標治」を意味します。
歯周病治療でいう「原因除去療法」とは、プラークを取り除くこと、つまり除菌することを示します。歯茎の中の除菌は歯科医院の作業で、歯茎より上の除菌は患者さんと歯科医院の共同作業となります。
例えば、症状軽減のために膿を出すだけでは、「対症療法」となります。膿を出しても、原因が残っていればまた膿んできます。
また、噛めないのでインプラントをしたいという主訴で来院されたとします。しかし、歯周病が原因で歯が抜けたとします。その抜けた場所にインプラントを入れても歯周病菌に感染してしまします。
歯が抜けた原因が何かを診断し、原因除去を行わなければ、主訴を解決できない場合も多くあるのです。
原因除去を行った上うえで、治っていない場合に修正治療(被せもの、インプラント、矯正治療、歯周外科治療)を行います。大切なのは、まずは「原因を除去」することです。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医