先日、成人歯科検診で歯周病が進行していると指摘され心配になり、当院に来院された患者さんがいらっしゃいました。
診査してみると、「歯周病」ではなく、「歯肉退縮」だったのです。
その違いはなんでしょうか?
歯周病(歯周炎)は、歯肉と歯の間の溝が深くなり歯周ポケットを形成し、支持歯槽骨が吸収していく疾患です。つまり、付着(歯と歯肉)の喪失が起こります。
歯肉退縮とは、歯肉は痩せていますが歯周ポケットは形成しません。そのため、歯周炎ではありません。付着歯肉幅(歯の周囲の動かない歯肉)が少ないために、歯肉が痩せているのです。
この場合は、以前のブログに示したように「根面被覆」といって歯肉を被せる処置も可能ですし、進行しまいようであれば、経過観察していくことも重要です。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医