金属が被っている歯(白く写っている歯)は神経がありません。この歯は2本の根(①および②)があります。しかしながら、①の根は割れてしまっています。通常の治療計画であれば①の根を抜歯して、②のみを残します。そして、②の根と奥の歯を削って、ブリッジを入れる治療となるでしょう。
そうなると、〇で囲まれた親知らずが下の歯と咬んでいないため、不要となり抜歯となります。
この場合、親知らずは抜歯するだけになり勿体ないのです。さらに、何でもない奥歯もブリッジの土台にするために削らなければならなくなります。
そこで、実際の治療は金属が入っている歯(白く写っている歯)の根(①および②の両方)を抜歯して、親知らずを移植しました。
親知らずを移植したことで、ブリッジにする必要がなくなり、奥の歯を削る必要もなくなりました。予後は良好で順調に経過しています。
このように、咬んでいない親知らずがあれば移植に有効です。
歯の移植に関心がある方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本補綴歯科学会 専門医
渡辺歯科医院