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185.歯周外科療法(歯周病の外科手術)前に必要な歯肉とは?

今回は少し難しい内容です。

このblogは一般の患者さん、医療関係者、歯科医の先生も見てくださっているようで質問を受けることもあります。今回は、一般の患者さんには難しい内容になります。

歯周病学会で発表した内容です。写真のように示した部位に6mmの歯周ポケットが認められます。歯周基本治療が終了し、歯周外科療法へ移行する予定となりました。


 

しかしながら、角化歯肉(付着歯肉)が不足しています。角化歯肉とは、上皮が角化しており結合組織にコラーゲン線維を含む歯茎のことです。このコラーゲン線維がなければ、結合組織性付着は起こりえないのです。

簡単にいえば、角化歯肉は「動かない歯茎」のことです。「動かない歯茎」=「角化歯肉」、「動く歯茎」=「歯槽粘膜」といいます。「歯槽粘膜」は動くため、もし「角化歯肉」が不足していて、「歯槽粘膜」しかなければ、「フラップ手術(歯周ポケットを改善するための手術)」を行おうと思ってもできないのです。

そのため、「角化歯肉」が不足している場合、フラップ手術を行う前に前処置として「遊離歯肉移植術」のような角化歯肉幅を増やす手術を行う必要があります。

下写真の遊離歯肉移植術の術後写真になります。「動かない歯茎」がしっかりできています。


 

しかし、この「遊離歯肉移植術」は、「裂開状骨欠損」の場合は不適応になり、「骨内欠損」の場合は適応となります。「遊離歯肉移植術」は口蓋歯肉より採取し、受容側の「骨膜結合組織床」に移植するからです。つまり、表層に骨がなければ遊離歯肉の移植は行えないのです。(以下のシェーマ)


 

歯周外科療法を行う場合、単に歯周ポケットがあるから行えるのではなく、前準備としておこなう外科療法が必要な場合もあります。

この症例は遊離歯肉移植術後、角化歯肉の獲得後にフラップ手術を行う予定でしたが、角化歯肉により歯周組織の環境が整ったため、フラップ手術を行うことなく歯周ポケットが改善しました。

 

歯周病専門治療をご希望の方、また当院にご相談ください。

 

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