歯周病治療にとって必須な「歯と歯の間の清掃」。しかしながら、日本では「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」より「歯ブラシ」が重要視されています。
親が子供に対して、「歯磨きした?」と聞きます。歯科医も「歯ブラシは1日何回しますか?」と聞かれませんか?
歯周病は「歯と歯の間」から始まります。また虫歯も「歯と歯の間」から発生することが多いのです。
「歯と歯の間」の清掃は「歯ブラシ」ではできないのです。
アメリカのアニメで「おさるのジョージ」があります。
DVD「あんこう、ピカ」(発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント)の回で次のセリフがあります。
黄色のおじさんが、ジョージのことをアインシュタイン博士に以下のように説明します。
黄色のおじさん:「George doesn’t know the meaning of give up.Or dental floss.」
これを日本語訳では、
「ジョージは諦めることをしらない。それと歯の手入れも。」
となっています。アメリカのアニメを日本語訳にするときに、日本では「デンタルフロス」が一般的に広まっていないから「デンタルフロス」を「歯の手入れ」と訳したのかなと思います。
逆にいえば、「デンタルフロス」はアメリカでは当たり前なんですね。
また、おさるのジョージの絵本(岩波書店)でも「デンタルフロス」が出てきます。子供向けの絵本でさえ「デンタルフロス」が出てくるのです。
ですから、子供のうちから、つまり乳歯列のときから「デンタルフロス」は重要ということになります。
5歳以上の子供たちを診ていると歯と歯の間、特に「D」と「E」の間の虫歯が頻発しています。この部位は歯ブラシではプラークは落ちませんし、一度治してもデンタルフロスを使わなければ再び虫歯になるでしょう。
当然、大人もデンタルフロスは使う必要があります。私は、①デンタルフロス、②歯間ブラシ、③歯ブラシの3種類を毎日使用しています。歯周病に罹患している患者さんはこの3つが必須になります。
私は何より「歯と歯の間」のプラークコントロールが重要と考えています。
来院された患者さんにしっかり説明していきます!
※デンタルフロス
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院