今回も歯肉退縮に対して行った歯肉結合組織移植術です。
ミラーのClass1の症例に対して歯肉結合組織を移植して両側歯間乳頭にてカバーしました。歯肉退縮した歯の両サイドに骨吸収が認められないため根面被覆の成功率は高いことが予想されました。
下写真です。オレンジ○部分に歯肉退縮(歯茎の痩せ)が認められます。
今回はHarris先生の方法(1992年)で歯肉結合組織移植術を行いました。以下、図解です。
口蓋から歯肉結合組織を採取し、移植した後、歯の両側の歯間乳頭の歯肉にてカバーしました。以下、術中の写真です。
予後です。良好に経過しています。
長い上皮性付着による治癒様式になっていることが予想されますが、経過良好です。
歯肉退縮(歯肉の痩せ)に関しましては、経過観察も重要な治療の1つであると考えています。それ以上歯肉が痩せなければ、わざわざ手術を行う必要もありません。進行してきているかどうかをよく観察し、手術を行うかどうか決めることが重要かと考えています。
手術は、ふつうに歯科のユニット(椅子)で行います。保険診療で行うことが可能ですし、1時間くらいで終了してお帰りになれます。
歯肉の痩せが気になる方はご相談ください。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院