歯周病の検査で何がわかるのでしょうか。歯周ポケット検査は何を意味するのか?
模式図は、正常な状態・歯肉炎・歯周炎を示します。正常な状態でも歯と歯肉の境目には溝があります。それは、「歯肉溝」といって正常な状態の溝です。その溝から湧水が出ています。その湧水を歯肉溝浸出液といいます。そこには、抗体や白血球など細菌に対して防御してくれる機構があるのです。
歯肉炎→歯周炎となると歯と歯肉の付着が損なわれるため、正常な状態の防御機構は損なわれた状態になってしまいます。そのため、歯周病菌は歯肉の中深くに侵入して骨吸収が始まります。正常な状態と比較して歯周炎では、歯周ポケットが深くなり、図のように骨吸収が起きていることが確認できます。
歯周ポケットが深い部分には、たいてい歯肉縁下歯石が根の表面に付着しています。これがある限り、歯周病は治りません。歯周病専門治療で使用する「キュレット」で除去していかなければ治りません。
写真は、歯肉縁下歯石を示します。この茶褐色の歯石が、歯肉の中の見えない根の部分に付いているのです。歯周病治療では、この歯肉縁下歯石を取り除いていかなければなりません。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医