月別アーカイブ: 3月 2013

61.歯周病検査(レントゲン検査)

歯周病検査に必要なものは、①レントゲン検査(X線検査)、②歯周ポケット検査、③細菌検査になります。

今回は①レントゲン検査(X線検査)の説明です。

下写真で、赤の矢印部分はレントゲン写真で歯槽硬線(白線)が明瞭に見られます。その部分の歯槽骨は吸収していないため健全であることが分ります。

では、その右の歯(黄色の○印の歯)はどうでしょうか。点線で囲まれた部分の歯槽骨が吸収しています。つまり、歯周病菌によって歯茎が歯から剥がれてしまい、歯槽骨が吸収していることを示します。

 

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

60.歯の移植

レントゲン写真を見てみると、①の歯が根の先まで骨が吸収してしまっています。縦に動いてグラグラしています。そして、②の歯と③の歯が重なっています。②と③が重なって生えているのでブラッシングできませんので虫歯になっています。

治療計画です。

患者さんは、①を抜歯してインプラントも考えられました。または、ブリッジでも良いと思います。しかし、②と③の歯が重なっているという問題を一気に解決するために、①を抜歯して①のあった場所に③を移植する計画としました。写真は③を①のあった場所に移植して縫合した状態です。

 

術後半年で、金属冠を被せました。術後のレントゲン所見も問題ありません。

歯を抜いた後の治療にはいろいろな方法があります。歯周病の場合や、虫歯で歯を失う場合など、その状況は様々ですから、1ブリッジ、2入れ歯、3インプラント、4経過観察、5歯の移植など、その状況に応じて治療計画を立案することが重要です。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

59.顕微鏡検査

歯周病の進行程度やリスク評価をするために歯周ポケット内のプラークを位相差顕微鏡にて観察します。

スピロヘータ動画

動画にみられるミミズのような細菌は、深い歯周ポケットに生息するスピロヘータ(らせん菌)という細菌です。
このような細菌が大量に存在することは良いことではありません。

歯周病治療は、歯肉の上歯肉の中の歯周病菌をいかに少なくさせるかが重要となります。歯肉の上の歯周病菌の除菌は、患者さんと歯科医の共同作業になります。歯肉の中の歯周病菌の除菌は、スケーリング・ルートプレーニングが必要です。歯周病専門医にお任せ下さい。細菌数はゼロにはできませんが、少なくする必要があります。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

58.トンネリング:その2

以前のブログでご紹介したトンネリングという方法です。

下顎第一大臼歯(左下6)の根分岐部(根と根の間)の炎症が認められます。

奥歯の根は複数あるため、前歯と比べると複雑な構造になっています。そのため一旦歯周病が進行してしまうと前歯より治りにくいのです。この歯は、頬側~舌側まで水平的に歯周ポケットが完全に貫通しているため、根分岐部の間の清掃ができない状態です。

根分岐部に歯間ブラシが入るように歯の形態を修正しました。

術後、根分岐部のプラークコントロールが改善されました。

 

 

 

 

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医