月別アーカイブ: 12月 2012

48.求人:歯科衛生士さん募集

※募集終了しました。(H25/11/19)

 

歯科衛生士さんを募集します。新卒(H25年3月卒業予定)の方も歓迎します。歯周病治療、予防歯科に興味のある方、いっしょに働きませんか?

私は、歯科医療は患者さんのQOL(生活の質)を向上させるために重要な仕事であると思っています。私が主に行っている歯周病治療、予防歯科、インプラント治療は直接的に患者さんの命を救える分野であるとは思っていません。しかしながら、「お口の中の健康」を維持することをお手伝いすることで、その患者さんが少しでも快適に過ごしていただくことが出来るのではないかと考えています。

また近年、歯周病は糖尿病や心臓・脳の虚血性疾患と大きく関わっていると言われていますから、歯周病治療や予防歯科を行うことで、全身状態に好影響を及ぼすこともできると考えています。「歯科医療」には歯科医療にしか出来ない役割があると私は考えています。

まずは、電話かメールにてお問い合わせください。

 

募集人数:1名

雇用形態:常勤

給与:20万円~(経験者は面談にて応相談)

勤務時間:8時30分~18時30分(来年度から診療時間変更する可能性あり)

待遇:昇給1回/年、賞与2回/年、交通費支給

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

Tel:0766-61-2002

 

 

47.ライオン「Dent.File」

「予防歯科最前線」というテーマで、Lion(ライオン株式会社)さんhttp://www.lion-dent.com/の取材を受けました。「Dent.File」http://www.lion-dent.com/dental/library/front/という雑誌に掲載されました。是非ご覧になってください。

取材していただきましたLionの七浦亨様、第一ピーアールの蔵本斉幸様、カメラマンの大塚様ありがとうございました。今後一層のご活躍をお祈りいたしております。

 

取材にいらっしゃっていただいたときは秋でしたが、すっかり雪化粧です。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

46.インプラント症例(入れ歯が合わない患者さん)

70代男性の患者さんです。

入れ歯(義歯)が合わず、インプラントを希望されました。

まず、重要なことですが歯周病による感染がないことが重要です。※インプラントは歯周病菌に感染します。歯周ポケット検査、細菌検査により歯周病のリスクは少ないと診断しました。

術前口腔内写真です。左上の歯(○印)は根が折れており、その他の○印は歯が喪失しています。

術前エックス線写真です。○印の部分にそれぞれインプラントを埋入する計画としました。下顎には左右それぞれ2本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。3本ずつ埋入することも可能ですが、2本にすることで治療費を抑えることができます。

右上は2本のインプラントを、左上は歯根破折(折れている根)している歯を抜歯して1本のインプラントを埋入予定としました。

術中写真です。それぞれ、右下、左下、左上の写真になります。

術後の口腔内写真です。アバットメント(土台)を装着後に冠を被せました。冠は、白い樹脂、セラミック、金属と選択できますが、審美的な要素より機能重視の患者さんには、金属か白い樹脂が良いかと考えています。セラミックは割れてしまう可能性が他の材料よりは大きいと思います。

術後のエックス線写真です。

 

 

インプラント治療は良い面もありますが、欠点もとても多くあります。

1.メーカーが多く、そのメーカーの機材しか使用できない。当院はアストラテックインプラントを使用していますので、他メーカーのレンチやネジなどが合いません。A歯科医院でインプラントを埋入してB歯科医院で被せようと思っても、難しいのです。

2.歯周病菌に感染する。他の歯が歯周病の場合、歯周病菌に感染します。歯周病治療を過必ず行ってから、インプラント治療を行う必要性があります。

3.歯ぎしりなどの癖がある方は、要注意。歯もそうですが、インプラントは横揺れの力にもの凄く弱いです。きちんとした噛み合わせの診査が必要です。

4.他の歯がすり減ってきた場合、インプラントが過重負担を受け、揺れてくる。歯もすり減ります。金属もすり減ります。入れ歯の歯でさえすり減ります。全体的に歯がすり減ったとき、インプラントばかりが強く当たってしまうと、インプラントはダメになってしまします。

など、いろいろなトラブルが起こる可能性があります。インプラント治療は、あとのフォローができるように治療計画を立てる必要があります。「歯周病で歯が抜けた」→「インプラントしましょう」ではいけません。原因が歯周病なら、他の歯が抜けた時にまたインプラントが追加になり高額な治療費になってしまします。将来的に、お口の中がどうなっていくのかを診断し、長期的な治療計画を立てる必要があります。

当院は歯周病専門医です。また歯科補綴学会専門医(被せもの、インプラント、入れ歯などの噛み合わせを専門とする学会専門医)です。多方面から治療計画を立案してインプラント治療を行います。ご希望の方はご相談ください。

この患者さんは、「入れ歯と違って硬いものもバリバリ噛める」という感想をいただきました。「治療計画」が何より重要であると思います。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

 

 

 

45.歯茎からの膿は歯周病?

歯茎からでた膿があれば歯周病?

以前のブログで紹介したように、歯茎から膿が出ている場合の感染経路は主に①歯周病、②虫歯が進行して歯の中に細菌がたまったもの、③歯の破折、です。

歯周ポケットが深い場合でも、歯周病が原因ではなく虫歯が進行した結果、歯の中(根管)に細菌が増え、それが歯周ポケットから膿として出てくる場合があります。そのような場合、歯周病治療を行うのではなく、感染根管治療(根の中の消毒)を行う必要があります。

下図の写真ですが、根の先に膿(エックス線透過像)が確認されます。歯周ポケットも10mmあり、歯の異常な動揺が見られます。

オレンジ○で囲んだ部分が黒く写っているのが確認されます。

術前~術後の比較です。根の中にの消毒が終わって、根管内に詰め物をしました。術後8か月の写真です。黒い部分が消失して、骨が再生しています。この根の管の中の消毒を感染根管治療といいます。術後は歯周ポケットも改善し、歯の異常な動揺も無くなりました。

 

以下、感染根管治療の解説です。

下図のように根の先に膿が溜まっています。歯は骨に埋まっていますから、膿は骨の中にあります。

放置した場合、重篤になると骨髄炎になったりします。原因は、①虫歯が進行して(歯髄)神経が死んでしまった場合、②以前に歯髄(神経)を取った治療をして細菌は減っているものの、残っている細菌が増えてしまった場合です。

①もしくは②が原因で根の管の中が細菌により感染してしまっていますから、根の管を消毒していきます。根の管の中の細菌が減ってくれば、膿は減ってきます。

歯茎から膿が出た場合、歯周病の場合もありますし、感染根管の場合、歯が折れている場合もあります。レントゲン、歯周ポケット検査、歯が生活歯なのか失活歯なのか(神経が生きているのかどうか)を正確に判断する必要があります。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

 

44.歯茎からの出血した場合、歯磨きしますか?しませんか?

歯茎から出血した場合、歯磨きしますか?それともしませんか?

 

歯茎からの出血を主訴に来院されました。

矢印(赤)の部分に炎症が認められます。その部分に接した歯の表面の付着物が見えるでしょうか?歯垢(歯の表面に観察される白もの)が見えます。

「歯垢=食べかす」ではありません。「歯垢=細菌バイオフィルム」なのです。細菌バイオフィルムとは、細菌の集合体です。下図のように、歯の表面に歯垢(つまり細菌の集合体)が付着しているから炎症が起きます。

よく、患者さんに、「歯茎から血が出たので怖くて歯ブラシをやめた」と言われます。歯磨きしなければ、なにが起きるでしょうか?細菌バイオフィルムは増える一方なのです。歯磨きしなければ、より細菌が増え、炎症が助長します。正しい歯ブラシ(歯間ブラシ、フロスは最重要!)を行えば炎症はおさまり出血もなくなってきます。

 

歯ブラシ、歯磨剤、歯磨き方法が重要となります。ブラッシングが最も重要な治療といえます。

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

43.鎌倉にて

 

後輩の結婚式に参加するため、神奈川(鎌倉)に行ってきました。このブログで私的な内容は慎もうと思っていましたが、いろんな方と再会してあまりに嬉しかったので、今回は…….。

神奈川歯科大学では、いろんなことを学びました。歯周病のこと、補綴(入れ歯や噛み合わせ)、いろんな科の先生と勉強会をしたり、相談したりと。

素晴らしい恩師がいて、開業された先生もいらっしゃいますし、今も神奈川歯科大学で一生懸命、医療、教育、研究に研鑽されている先生がいらっしゃいます。

大学は、医局員の数が減り、さみしくもなりましたが、先輩、同級生、後輩、みんな頑張っています。

富山より応援しています。私も地域医療に精一杯頑張ります。

青木先生と斉藤先生おめでとうございます。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

42.自家骨移植2(再生外科療法)

歯周炎によって大きな歯槽骨の吸収(骨欠損)がある場合に、他部位から歯槽骨を採取し移植します。GTR法と併用して行うと効果が大きいという報告があります。

一見、健康な歯周組織に見えますが下図矢印部分には深い歯周ポケットが存在します。

 

 

実際、歯肉を剥離してみると、オレンジ○で囲んだ部分に骨欠損が見えます。

 

骨欠損部に青○で囲んだ部分から自家骨を採取して、骨欠損部に移植しました。

 

縫合して仮歯を被せたところです。

 

頬側と舌側に十分な歯槽骨が残存していることから、このようなケースでは、GTR法、自家骨移植など再生外科療法が適しているといわれています。

 

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

 

41.糖尿病と歯周病

Ⅱ型糖尿病の方は、歯周病の発症リスクが2~4倍高いという報告があります。

☆糖尿病が歯周組織に影響を及ぼすメカニズム

①好中球貪食の機能低下

②微小血管障害

③歯根膜細胞の機能異常

④コラーゲンの合成阻害

⑤AGE(最終糖化産物)の炎症性組織破壊

AGEとは高血糖により生体内にさまざまなタンパク質が非可逆的に糖化されたもので、血管壁や結合組織に沈着して炎症反応を助長してしまいます。

つまり、血液の流れが悪くなれば、歯周病菌に対する感染防御機構が損なわれてしまうからです。

糖尿病が改善すると歯周病が回復に向かったり、逆に歯周病の治癒に伴い血糖値が改善するという報告もあります。

 

 

 

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医