月別アーカイブ: 1月 2012

14.歯ブラシ

 

歯周病の歯ブラシの方法を紹介します。

「マッサージするように小刻みに動かす」のが良いといわれますが、そうではなく「ある程度大きく動かす」方が良いと思います。マッサージ効果を期待して小刻みに動かしても、肝心のプラークが除去できなければ意味がないからです。

炎症の出所は歯と歯の間の歯茎ですので、必ず歯間ブラシが先で、その後に歯ブラシを使用してください。

おすすめは、ナイロン・3列・硬さふつうの歯ブラシです。毛先が細いもの、ギザギザのもの、柔らかい歯ブラシは高度なテクニックがないと上手にはプラークが落とせません。子供用の歯ブラシは、スタンダードなものが多いためお勧めです。歯ブラシは「小」は「大」を兼ねます。

 

 

 

歯茎に対して斜めに歯ブラシを向けて20往復させてください。難しければ、のこぎりを引くように奥から手前へと繰り返し動かすといいと思います。

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医

 

 

 

 

13.根面被覆(歯肉退縮:症例1)

歯周病は、歯肉と歯の付着が喪失し、歯周ポケットを形成し歯槽骨吸収することが問題です。しかし、歯周ポケットを形成しない場合でも、歯肉が退縮(痩せていく)する場合もあります。それは、付着歯肉幅(角化歯肉幅)が少ない場合、歯列(歯の並びのライン)からはみ出している場合に起こりやすいと考えられます。

歯肉退縮にはMillerの分類があります。両隣りの歯槽骨が吸収していないMillerの分類1,2では痩せた歯肉が両隣りのラインまで回復するといわれています。

※歯列から大きくはみ出している場合は回復が困難です。

 

写真の症例は、○の部分の歯肉が痩せています。患者さんの希望で、根面被覆(結合組織移植術)を行いました。上顎の口蓋から採取した歯肉(結合組織)を患部の歯肉に移植して挟み込んでいます。治療時間は作業が細かいので、1時間程度です。保険診療で行えます。

写真は、術前→半年後→2年後です。良好に経過しています。

渡辺歯科医院

日本歯周病学会 歯周病専門医