歯茎からでた膿があれば歯周病?
以前のブログで紹介したように、歯茎から膿が出ている場合の感染経路は主に①歯周病、②虫歯が進行して歯の中に細菌がたまったもの、③歯の破折、です。
歯周ポケットが深い場合でも、歯周病が原因ではなく虫歯が進行した結果、歯の中(根管)に細菌が増え、それが歯周ポケットから膿として出てくる場合があります。そのような場合、歯周病治療を行うのではなく、感染根管治療(根の中の消毒)を行う必要があります。
下図の写真ですが、根の先に膿(エックス線透過像)が確認されます。歯周ポケットも10mmあり、歯の異常な動揺が見られます。
オレンジ○で囲んだ部分が黒く写っているのが確認されます。
術前~術後の比較です。根の中にの消毒が終わって、根管内に詰め物をしました。術後8か月の写真です。黒い部分が消失して、骨が再生しています。この根の管の中の消毒を感染根管治療といいます。術後は歯周ポケットも改善し、歯の異常な動揺も無くなりました。
以下、感染根管治療の解説です。
下図のように根の先に膿が溜まっています。歯は骨に埋まっていますから、膿は骨の中にあります。
放置した場合、重篤になると骨髄炎になったりします。原因は、①虫歯が進行して(歯髄)神経が死んでしまった場合、②以前に歯髄(神経)を取った治療をして細菌は減っているものの、残っている細菌が増えてしまった場合です。
①もしくは②が原因で根の管の中が細菌により感染してしまっていますから、根の管を消毒していきます。根の管の中の細菌が減ってくれば、膿は減ってきます。
歯茎から膿が出た場合、歯周病の場合もありますし、感染根管の場合、歯が折れている場合もあります。レントゲン、歯周ポケット検査、歯が生活歯なのか失活歯なのか(神経が生きているのかどうか)を正確に判断する必要があります。
渡辺歯科医院
日本歯周病学会 歯周病専門医