歯周病の治癒には、歯根自体の解剖学的形態が大きな鍵を握ります。
歯根が本数が多くなるほど治療は困難になります。特に、上顎大臼歯部においては歯根が3本(模式図)あります。噛み合わせの力を負担するには歯根の本数が多い方が力学的には有利ですが、歯周病に感染すると歯根と歯根の間に感染が波及し治癒は困難となります。
X線写真です。歯根が3本あることが分ります。
以下の写真は、②の歯根の骨吸収が進行したため1根のみ抜歯を行いました。残りの①と③の歯根に対して土台を立てブリッジを装着しました。
①と③の間は歯間ブラシで清掃できる環境となっています。
このように、歯を1本丸々抜いてしまうのではなく、部分的に抜歯を行うことも可能な場合があります。
日本歯周病学会 歯周病専門医
渡辺歯科医院